2010年5月28日金曜日

Process Chemistry Short Course

月曜火曜は Process Chemistry Short course でした。

講師はメルクの Process Research の元 Executive Director あるいは Vice President。その二人が二日間、朝8時半から夕方5時まで講義です。こっちは時差ぼけでいきなり一日8時間も座り続けるなんて、って思っていましたが断然講師の方が大変です。

さて内容の方は、、、
お二人がメルクで手がけてこられた合成に関するもので、紹介されていた化合物は全部で15個くらいでしょうか。そのほとんどが光学活性体でした。昔会社で働いていた頃は「ここにこの置換基入れたいけれども、光学活性になるし、、、、」なんてためらっていたりもしましたが、お二人に言わせると「Medicinal chemist の仕事は一番良い化合物を候補にする事。作り方はわしらが考える。」と。男前な話です。Processが人手不足で自分らで探索毒性サンプルぐらいは作るのとはレベルがちゃいますね。彼らもPre-clinical から Phase 1 のサンプルくらいまでは基本的に Medicinal Chemist のルートの改良で作っちゃう事が多いようですが、キロの単位になると追いつけないので、そこからはあの手この手でやってはりました。

メルク程にもなるといろんなスペシャルティームがあるんですね。Catalyst team は金属X配位子X塩基X溶媒X温度の数百にも及ぶ組み合わせをスクリーニングしたり、条件検討に必要なエナンチオマーは、ラセミ体をChromatography team に渡せば翌日には1グラム以上のR、S体が用意されているだとか、ちょっと驚いちゃいました。

あと、よく「アメリカ人ってあんまり働かん」と思っている人も多いと思いますがよぅ働く人はようさんいてるんです。今回の講師のかたも月曜朝に出社してからその週の日曜までの間、水曜日の5時間しか家にいてなかった事がある、なんておっしゃってました。モーレツなひとはモーレツなんです。そういやうちの教授で毎週グループミーティングを夜7時半から12時までやってる人もいますわ。

こんな風に帰ってきていきなりアメリカモードになったのでした。

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