2011年4月18日月曜日

10周年



 結婚したのは2001年2月、ですのでこないだの2月で10周年を迎えておりました。毎年記念日あたりに写真館で撮ってもらう家族写真も10枚目、2人の「歴史」と呼べるものが観察されます。



当日はちょっといいレストランでちょっといい晩ご飯を楽しんだだけでしたが、春休みを利用して新婚旅行の地、メキシコへ行ってきました。


絵に描いたような青い海を目の前にして、ひと月後に控えるセミナーの事もしばしの間ほとんど忘れ(完全に、とは行きませんでした。リゾートホテルの小さい机で、一人夜中に勉強なんてのはするもんじゃありませんね)、家族3人で 初の旅行らしい旅行を堪能してきました。

オールインクルーシブのホテルだったので、チェクインした後は部屋の鍵だけもってプールサイドで寝そべったり、ありったけのものを胃袋に詰め込んだり、バーの生ビールを流し込んだり、、、、、、。3人とも食べ過ぎでお腹はずっとパンパンでした。

今回、何よりも嬉しかったのは脩登の喜び様。到着してからずーーーーーーっと興奮状態で、エスカレーターの扉が開くと両手を上げて飛び出し、プールサイドへ続くホールで奇声を上げ、頭上を飛び交うカモメを指差しては『おおおおおおおおおお!」と感嘆の声をもらし、と一日中それはそれは盛り上がっていました。プールで脩登を遊ばせて疲れてしまった僕らが少し休もうと部屋でくつろいでいても、脩登は部屋の扉の前に立ち、「俺はまだまだ元気やし、外に行く準備もできている」とばかりにノブを指差し「ゴーゴー」と叫ぶ始末。昼寝もせずに遊んだ日もありました。こっちはちょっと疲れもしましたが、いろんな「初めて」を経験して楽しそうな息子の様子を見ていると、「また連れてきたらなあかんなぁ」と親としては思うもので、帰宅後、相方は早速次回の旅行の計画(!)をたてはじめております。

2011年4月13日水曜日

CHME535 Oranic Seminar

超忙しかったのです、というかプレッシャーに苛まれていました。

大学院二年生のビッグイベント、というかストレス度では博士課程のカリキュラムのなかで一番と言われる 「CHEM535 Organic Seminar」。有機化学の研究室ならだいたいどこでも文献セミナーってやってはりますよね。毎回持ち回りで、面白そうな論文の紹介をするやつ。

それのグレイドアップ版です。これはコースとして単位も出るのですが、もちろん必須科目です。内容は、①「新しくて、化学的に面白くて、やくにたちそうな化学」のトピックを選び、②その分野の論文を十分に読んで理解し、③総説を自分なりの考えでまとめ上げ、④学部全員の前で1時間弱の講演をし質問に答える、ってやつなんです。準備は最低でも1ヶ月。その間は指導教官にもよりますが、自分の研究を完全にストップさせてもらい、ひたすら論文との格闘の日々を送ります.

僕の場合①で3つの候補トピックをコースの担当教授に持っていくと「どれもおもろない」と却下され、「え,え,え,え,なんで?」と思う間もなく、たった数日で別のトピック3つを持っていくはめになりました。うちの教授に「却下されました」って言うと「なんでや?まぁしゃあない、がんばれ」ええええ、もうちょっと何とかなりませんか?

そして②。ようやくトピックが『シクロプロピンの不斉合成とその応用』に決まり、論文を集め始めました。最近何報かJACSに合成の論文が出ていたので、それを頼りに引用文献をよみあさりました。が、ここで少々不安になりはじめます。読めば読む程「この分野おもろいのかな?」との疑問が頭をよぎり出します。①の「化学的に面白くて」が無いと、まあほぼ失敗です。この時点で目の前の教授達が渋い顔をする様子を想像し始め、ストレスがどんどんどんどんつもっていきます。かといって既に数日遅れているので、今からさらにトピック変更はリスクが高すぎるので無理。仕方なくつっぱしるしかありませんでした。

それで③、内容のまとめに入りますが、いろいろ考えてもなかなかいい物になりません。 いろいろ詰め込みすぎて、全体がしっちゃかめっちゃかで「で、なにが言いたいのん?」になるか、絞り込みすぎて「それだけ?」になるかでなかなかまとまらないのでした。本番の前に一度クラスで練習をするのですが、その練習のさらに前にグループで練習させてもらい、そこでうちの教授に色々アイデアをもらってようやくなんとか形にはなりそうになりました。

で、ここからはあとはスライドを磨き上げ、練習をし、本番を迎えるのみ、なんですが、本番1週間前にワークショップに参加する為ワシントンに。この3日間はほとんど何も出来ずに不安は募るばかり。(しかも内容が、ほんっとつまんなく、、、、、、、、無駄でしたな。ま、自分から「行きたい」と3ヶ月前くらいに言うてしまっていたので,,)

しかもしかも、ぼくの4日前にクラスメートが本番を迎えたのですが、こいつの発表がひどい事ひどい事。トピックがまずおもろなく、本人が内容を良く理解しておらず、教授の質問にもろくに答えられない、とそれはそれはお粗末なものやったんです。いつも鋭い質問を飛ばして僕たちを戦々恐々とさせるDenmark先生も渋い顔。指導教官のHartwig先生まで自分の学生にも関わらずみんなの前で公開説教状態で、今まで見た中で最悪な空気のセミナーをやらかしてしまいよったんです,僕の直前に!!!!!!!

こっから本番までの日々は、、、、、、、思い出したくありません。脩登と遊んでても三角形(シクロプロピンは三角形の構造してるんです)が頭に浮かぶし、「こんな質問来たらどうしよ?」といてもたってもいられなくなるし、思い出すのは数日前の史上最悪セミナーやし。

そして当日の朝、いつも通りの時間に学校に行ってみたものの、落ち着けるはずも無く、いったん家に帰り、シャワーを浴びてソファーに座ると少しリラックス。ちょっと練習してみると予定通りの時間で終わるし、よしよしと。が、お昼を過ぎて残り時間が4時間を切った頃から緊張の波が襲ってきました。そこからは練習してもどもるし、内容忘れるしどんどんドつぼにはまっていって、、、そしてあっという間に15分前。会場の大講義室に移り、準備をして聴衆がやってくるのをまっていると、御大、Denmark教授登場。出張か?との噂も流れた為、一縷の望みを持っていたのですがここで消滅。天を仰ぎたくなりました。

2分前、ピンチ!!!最初のスライドの最初の一言が思い浮かばない!頭が真っ白に。が、ここで○○年前、修論発表の時に降りて来た神が再び降臨。
あの時も「硫酸化多糖ヘパリんは、、、、、、、、、、、、、、」と言葉を失ってしまった僕。ところが「すいません、もういっぺんさいしょから、硫酸化多糖ヘパリンは高度に、しかも不均一に硫酸化された、、、」と、その後はすらすらと。質問にもちゃんと答えられて先生からも「最初はどうなる事かと思ったけれども、あとはなかなか堂々としてて良かったよ」とほめてもらう程の出来でした。
今回は言葉の問題もあるのでスラスラと、とは行きませんでしたが、立ち上がって聴衆に向かうと急に落ち着いちゃいました。しゃべりながら他の事も考えれたし、御大からの質問にも”ほぼ”ちゃんと(全部ではないです)答えられたと思うし、少なくとも渋い顔はしてはらへんかったので突拍子も無い事は言うてへんかったんでしょう。予定通りの時間でちゃんと終わり、司会者の「もう質問が無いようでしたら、もう一度ノリオに拍手を」を聞いてペコンと頭を下げたら、『はぁぁぁぁぁぁ』と大きくため息をつきました。

Denmark教授が帰り際に「Norio, good job. I enjoyed it.」と言うてくれはったのが何よりも嬉しくて、その日の夜はビールをのんで心地よく眠りに就きました。


で、その間にこれ以外でもいろんな事がありました。それはおいおい。

おいおいリスト
結婚10周年!
10周年記念旅行!
ながい冬終わる!
脩登は相変わらずトーマストーマストーマス!
しゃべる?
はしる?
タイトル変更予定!

いっぱいありますね。またチェックしてやってください。